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欲しいものが、欲しいね。

植草甚一さんほど尊敬すべき人物はいないなァ。まねてもなれる存在ではないよね。

Kindred Spirits

Pamela Samiha Wise(パメラ・ワイズ)

「Kindred Spirits」

  漆黒グルーヴィー・スピリチュアル・ジャズ

Kindred Spirits

Kindred Spirits

 

デトロイトの伝説レーベルの新作アルバムです。アフリカを感じさせる打楽器やブラジル北東部のリズムがディープな輝きを見せています。M11とM12は何しゃべってるんだかわからないアジ演説のようです。

 

スピリチュアル・ジャズ*1デトロイトの音楽*2を語るうえで欠かせない伝説のジャズ・レーベル「Tribe」の新作アルバム。レーベル創始者の一人、ウェンデル・ハリソンがプロデュースした女性ピアニスト、パメラ・ワイズ(Pamela Wise)のアルバム『キンドレット・スピリッツ』です。

Tribe屈指の名曲、「Farewell To The Welfare」「What We Need」、ウェイン・ショーター「Speak No Evil」のカヴァーをはじめ、いかにもTribeなテイストに仕上がっています。

『パメラズ・クラブ』以来9年ぶりの『キンドレッド・スピリッツ』は、『Negre Con Leche』でも演奏した曲をいくつか再演し、やはり彼女のアフロ・キューバン・ルーツを継承するアルバムだ。その再演曲である“ダニズ・グルーヴ(Dani’s Groove)”は、ラテン・ファンクとブギーをミックスした現代的なアレンジ。土着的なパーカッション・トラック“アンセスターズ(Ancestors)”の一方、“カーリルズ・プロミス(Khalil’s Promise)”では叙情性に満ちた優美なピアノ演奏が際立ち、アフロ・キューバンの両面の魅力が味わえる。その両者が融合した最高の結果が“オード・ティ・ブラック・マザーズ(Ode Ti Black Mothers)”だ。また、ジャマイカの指揮者のマーカス・ガーヴェイの名を冠した曲には、彼女が影響を受けたラスタファリズムが表れており、この曲以外にも“ワールド・マスターズ(World Masters)”や“オード・ティ・ブラック・マザーズ”と、ポエトリー・リーディングがフィーチャーされた作品がいろいろとあるのも特筆すべき点だ。

 パメラ・ワイズは日本ではほぼ無名だが、ウェンデル・ハリソンの妻といえば、彼女がいかにデトロイト・シーンにとって重要な人物かわかるだろう。ウェンデルは70年代に伝説のレーベル〈トライブ〉をフィル・ラネリンと創設し、その後80年代は自身のレーベルの〈ウェンハ〉や〈リバース〉を立ち上げたサックス奏者。パメラ自身はオハイオ出身だが、その後デトロイトへ移住してウェンデルと出会い、79年に結婚。彼女自身はピアニスト/キーボード奏者で、〈ウェンハ〉や〈リバース〉時代のウェンデルの作品に参加している。その後、ジャズと共に自身のルーツとして重要な位置を占めるアフロ・キューバン音楽のバンドを立ち上げ、ウェンデルを介してジェリー・ゴンザレス(キップ・ハンラハンの〈アメリカン・クラーヴェ〉からの諸作で有名なパーカッション奏者)とも知り合い、コラボする。初ソロ作『ソーニョ・フェスティヴィダッド(Songo Festividad)』(94年)はじめ、『ネグロ・コン・レチェ(Negre Con Leche)』(01年)や『パメラズ・クラブ(Pamela’s Club)』(06年)などは、そうしたアフロ・キューバン・ジャズ色が濃い作品だ。

 

01. HOMETOWN
02. FAREWELL TO THE WELFARE
03. CAN'T USE A SELLOUT
04. MARCUS GARVEY
05. WHAT WE NEED
06. NEGRE CON LECHE(THE BOMBA)
07. ODE TO BLACK MOTHERS
08. SPEAK NO EVIL
09. DANIS'S BOUNCE
10. KHALIL'S PROMISE
11. WORD MASTER PART 1
12. WORD MASTER PART 2
13. ANCESTORS

*1:スピリチュアルジャズとは、ジャズのジャンルの一つで、1960年代から1970年代に、ジョン・コルトレーンファラオ・サンダースマックス・ローチなどのジャズマンが流行させました。

*2:毎年9月に開催される「デトロイト・ジャズ・フェスティヴァル」は、30年ほど前に、産業構造の変革で都市として瀕死の危機に直面していたデトロイト再生、デトロイトルネッサンス・プロジェクトの一環で、都市部に市民を呼び戻すイヴェントとしてスタートしました。2007年からは、地元の老舗アパレル・メーカー、カーハートを中心とした複数企業のスポンサーシップにより、すべてのコンサートが無料で提供されています。