欲しいものが、欲しいね。

植草甚一さんほど尊敬すべき人物はいないなァ。まねてもなれる存在ではないよね。

John Jenkins With Kenny Burrell

John Jenkins(ジョン・ジェンキンス

「John Jenkins With Kenny Burrell

 ジェンキンスも絶好調の聴き易いハードバップ・アルバムです。

With Kenny Burrell

With Kenny Burrell

 

CLASSIC RECORDS社のブルーノートQUIEX SV-P 200G VINYL復刻シリーズ。モノラル録音です。

57年プレスティッジ盤「アルト・マッドネス(PR7144)」でマクリーンと熱いバトルを演じたジョン・ジェンキンス*1K.バレルをフィーチャーした本作はその約三ヶ月後に吹き込まれた唯一のBNリーダー盤、味わい深いアルトのワンホーン作です。

M1「フロムジス〜」はポーター作の名スタンダード。ジェンキンスとバレルのユニゾンによる短いイントロでアップテンポにスタートし、テーマをきっちり二人で分担。ジェンキンスは勢い良く荒っぽく、バレルはブルージーでスマートに爽快なピッキング。クラークも十分にソロスペースがあって喜ばしいです。

M2「モチーフ」はジェンキンスのオリジナル。アルトとギターでユニゾンを続けるテーマがいかにも黒人らしいアーシーなブルース。M1に引き続きピッタリと息の合った合奏を披露。曲の途中でもユニゾンによる8小節のブリッジが出てきて楽しませてくれます。クラークもアクセントの利いたシングルノートによるアプローチが躍動的。
優しいスローバラードで喜ばせてくれるのはM3「エブリシング・アイ・ハブ・イズ・ユアーズ」。ジェンキンスのコクのある音色とフレーズ、クラークの気の利いた節回しに心揺さぶられてしまいます。
B面は娘に捧げたM4「シャロン」、クラークのコロコロと転がるフレージングが絶好調を感じさせるM5「シャルモー」とジェンキンスのオリジナル2曲が続き、ラストM8はバレル作のアップテンポなブルース。
B1、B3のテーマもジェンキンス=バレルのユニゾンで気持ち良く奏でられています。

 

 

1. From This Moment On
2. Motif
3. Everything I Have Is Yours
4. Sharon
5. Chalumeau
6. Blues For Two
7. Sharon (Stereo Take)
8. Chalumeau (Stereo Take)

JOHN JENKINS(as), KENNY BURRELL(g), SONNY CLARK(p), PAUL CHAMBERS(b), DANNIE RICHMOND(ds). 1957年録音

*1:1931-1993。サックス奏者。元々はハイスクールでクラリネットを学ぶが、半年でサクソフォーンに乗り換えた。1949年から1956年まで、ジョー・シーガルがルーズベルト大学で主宰したジャム・セッションに参加。1955年にアート・ファーマーと共演し、その後はシカゴで自身のグループを率いた。