欲しいものが、欲しいね。

植草甚一さんほど尊敬すべき人物はいないなァ。まねてもなれる存在ではないよね。

Upojenie

Anna Maria Jopek & Friends With Pat Meth(アナ・マリア・ヨペック)

「Upojenie」

Upojenie

Upojenie

 

ポーランドの歌姫として知られるアンナ・マリア・ヨペクが、プロデューサーにパット・メセニーを迎え2003年に発表したアルバムです。とにかく音世界が美しくかつ叙情的なので日本人の好みにぴったり。詫びや寂びという価値観は日本人だけのものではない。ユーラシアから連綿と日本につながる精神世界を感じさせてくれるアルバム。叙情派絶賛の逸品。

 

 

www.youtube.com

タイトルの「UPOJENIE」(ウポイエニェ)はポーランド語で「虜(とりこ)」という意味です。14曲中メセニーのオリジナルが8曲あります。これまで発表した自己のソロアルバムから選んだものです。オリジナルの雰囲気を忠実に残しつつも、ヨペクの魅力的なヴォーカルが付加されて陶酔感たっぷりの素晴らしい出来となっています。

 

 1. Cichy Zapada Zmrok・・出だしの琴の音を感じさせるのはメセニーの42弦ピカソギターです。ヨペクの漂うような歌声がしんしんと雪が降り積もるように染み渡ります。

 2. Przyplyw, Odplyw, Oddech Czasu(Tell Her Saw Me / Secret Story)・・浮遊感たっぷりな2曲目はギターとヨペクの歌声が調和してえもいわれぬ音景色を作り上げています。

3. Tam, Gdzie Nie Siega Wzrok(Follow Me / Imaginary Day)・・フレンチポップス風の洒落た味わいです。メセニー原曲のリズミカルな曲です。のバックコーラスが中央アジアのホーミィのように心を揺さぶります。

4. Biel・・しっとりとした味わいのあるバラードです。

5. Czarne Slowa・・哀愁漂う耳に静かに染み渡る曲です。優しくヨペクが語りかけてくるようです。

6. Letter From Home(Letter From Home / Letter From Home)・・静かで優しいピアノソロの曲です。

7. Are You Going With Me? (Are You Going With Me? / Offramp)・・打ち込み&パーカッションとギターシンセを背景に歌姫ヨペクが絶妙のハーモニーを披露します。泣きそうに美しい旋律です。

8. Zupelnie Inna Ja (Always and Forever / Secret Story) 

9. Mania Mienia (So May It Secretly Begin / Still life(taiking) )渋いギターの出だしにヨペクのけだるく切ない歌声がかぶります。鈍くつぶれたようなメセニーのアレンジがいい気分に誘ってくれます。

10. By On Byl Tu (Farmer's Trust / Travels)・・ギターと歌声のシンプルな出だしが混じりっけなしに美しく聞き入ってしまいます。優しく澄んだ歌声が子守歌のようです。

11. Upojenie・・アルバムタイトル曲はヨペクの持ち歌。タイトル通り虜になってしまいそうです。ポーランド語の意味はわかりませんが国境を越えて気持ちが伝わってくるような気がします。 

12. Piosenka Dla Stasia・・今はつらく厳しいかもしれないが、きっと明日はすばらしいと、予感させてくれるような曲です。

13. Me Jedyne Niebo (Another Life / Speaking of Now)・・ メロウで哀愁ただよう曲です。

14. Polskie Drogi・・トリはメセニーとコントラバスのデュオです。メセニーのギターが美しい。