欲しいものが、欲しいね。

植草甚一さんほど尊敬すべき人物はいないなァ。まねてもなれる存在ではないよね。

Jazz In The Garden

The Stanley Clarke Trio(スタンリー・クラーク・トリオ)

「Jazz In The Garden」

Jazz in the Garden

Jazz in the Garden

 

現代トップクラスのトリオによる美しいジャズ演奏。賛否が分かれるところが面白いです。

スタンリー・クラーク上原ひろみによる"スタンリー・クラーク・バンド"*1が全編アコースティック で2009年に発表したアルバム。

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派手さや強烈なインパクトは少ないがパスタンリーのウッドベースの超絶テクニックやパーカッシブな音や弓によるアプローチなどが魅力の作品。

何度も聴き返してるとね、【4】【8】がサウンド的に浮いているんです、上原さんの参加してない曲ですね。【4】はベースとドラムの音作りからなんから七十年代のロン・カータートニー・ウィリアムスへのオマージュ、ドラムの音なんか他の曲と録音からして全然違います(笑)つまりスタンリー・クラークが今回目指したのは当時のグレートジャズトリオやスーパートリオの様なパワフルでアグレッシブなアコースティック・ピアノトリオなんでしょう、そこで選ばれたのは上原さんて訳、【8】は明らかに過日、惜しくも他界した凄腕ベーシスト、ニルス・ペデルセンケニー・ドリュー・トリオのライブでよくやってたソロの焼き直し(笑)やっぱり追悼の意を込めたオマージュと言うべきか。 スタンリー・クラークってベースの腕は物凄いけど音楽的なアイデアなんてその程度な人なんですね。他の曲のアレンジは全部、上原さんがやってるんじゃない?例えば【3】は上原さんの曲なんで当然として、【6】「いつか王子様が」のベースソロも上原さんが大まかな譜面書いたのでは?みたいな(笑)だって彼にしてはフレーズが上品で出来過ぎているんだな。つまり今作品の上原さんはミュージカルディレクター的にプレイしている感が有るんだね、ハービー・ハンコックが他人の作品でそんなに弾きまくってないんだけど、しっかり作品全体を自分のカラーに染めていく凄さを感じてしまいます。このメンバーであと何枚か録音して欲しい、ライブ盤とか最高だろうな。 ワタシ的には【3】【12】がベストかな、

 

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"Paradigm Shift (Election Day 2008)" (Clarke) (7:42)
"Sakura Sakura" (Traditional) (5:30)
"Sicilian Blue" (Hiromi Uehara) (4:48)
"Take the Coltrane" (Duke Ellington) (3:29)
"3 Wrong Notes" (Clarke) (5:46)
"Someday My Prince Will Come" (Frank Churchill, Larry Morey) (4:52)
"Isotope" (Joe Henderson) (5:27)
"Bass Folk Song No. 5 & 6" (Clarke) (4:01)
"Global Tweak" (Clarke, Hiromi Uehara) (3:42)
"Solar" (Miles Davis) (5:12)
"Brain Training" (Hiromi Uehara) (4:52)
"Under the Bridge" (Michael Balzary, Anthony Kiedis, Chad Smith, John Frusciante) (5:30)

日本版あります。

 上原ひろみ(p)、スタンリー・クラーク(b)、レニー・ホワイト(ds)

*1:2011年第53回グラミー賞最優秀コンテンポラリー・ジャズアルバム賞を獲得